ANSI Z87.1 2010(+) [米国工業規格] 安全メガネ規格について

ANSI Z87.1 2010(+)規格による、安全メガネの耐衝撃基準には主に、高速衝撃テスト(HIGH VELOCITY)と高質量衝撃テスト(MASS IMPACT TEST)があります。

高速衝撃テスト:HIGH VELOCITY TEST

直径6.35㎜の鋼球を約160km/hでレンズにぶつけ判断される。以下の様な場合に不合格となる。
○レンズがフレームから外れてしまった場合
○レンズの内側の一部が外れた場合
○レンズが割れた場合
○鋼球が完全にレンズを突き抜けてしまった場合

高質量衝撃テスト : MASS IMPACT TEST

約500グラムの円錐を127cmの高さから落下させ、 レンズ、フレームが割れたり、欠けたりしないこと。

MIL-STD662/MIL-PRF-3101 米国国防総省基準 衝撃テスト について

米国国防総省における全ての納入物品に課せられる基準の1つで、安全メガネの性能、耐衝撃能力などが試験されます。ANSI Z87.1-2010よりも約4倍厳しい耐衝撃能力が要求されます。
■ 衝撃テスト方法 使用する弾丸 : 直径3.7㎜ 0.15caliber)、重さ375.8mg 
■ 試験方法 : 安全メガネをゴム製の人頭模型に装着し、レンズから8~24in(200~600㎜)の距離から弾丸を時速約700㎞で発射します。レンズと模型の眼の間には、厚み0.05㎜(0.002in)のアルミシートを置きます。
■ 結果判定 : 判定は合格・不合格のみで、対象のメガネが割れたり、破片等によりアルミシートが破れると不合格となります。

衝撃テスト実験装置

アビオンクリアを使って、ANSI衝撃テストとMIL-STD662/MIL-PRF-3101衝撃テストをした結果。
ANSIテストの結果の傷に比べて、MIL-STD662/MIL-PRF-3101テストの衝撃の大きさが分かりますが、いずれもレンズを貫通することなく、かけることもありません。

ANSI基準の設定された時代からは、電動工具、チェンソー等全ての道具の高速化、高馬力化が進んでおり、安全メガネもそれに対応した耐衝撃性能を備える必要があると考えられます。

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