紫外線は一般に UVA(400nm~320nm)、UVB(320nm~290nm)、UVC(290nm~)と分けられます
紫外線(Ultraviolet radiation)は地上へ降り注ぐ電磁波の内、波長の短い紫の外側に位置し、200nm~400nmの波長領域を指します。 人間の目に見える電磁波の波長は400nm~700nmで、紫外線又、波長の長い赤色の外側にある赤外線(infrared radiation)は目に見えません。
紫外線より更に波長の短い電磁波には例えば、X線やガンマ線等があり、逆に赤外線より波長が長くなると、例えばラジオの電波や、携帯のBluetoothなど、日常通信に使われる周波数が現れてきます。 電磁波は波長が短くなればなるほどそのエネルギーを増し、生物への影響も大きくなります。
■前述の通り、波長の短いUVCは、紫外線のなかで最も私たちの健康に悪影響を及ぼしますが、現在の所、地球のオゾン層等にさえぎられ地表には到達していません。
■UVAは地表に多く降り注いでいますが、比較的人体への影響は小さいと言われており、日焼け等を原因となります。但し、長時間UVAを浴びると、皮膚の老化、皮膚がんの要因となるとも言われています。
■UVBはUVAに比べ、地表に届く量は僅かですが、その人体への影響の大きさから最も注意される紫外線の領域と言われています。
紫外線の強さは、時刻、季節、天候、オゾン量、大気中の汚染物質等により変化します。詳しい紫外線量(UV INDEX)は 気象庁のホームページにてご覧下さい。
紫外線は太陽と地表までの距離が短く、その間にさえぎる物が無いほど強くなります。つまり、太陽の高度が最も上がる正午、太陽の傾斜角度がきつい(頭上近くに太陽がくる)6~8月、雲の無い晴れの日に最も強くなります。 但し、曇といっても薄曇の日中は、雲に紫外線が反射するだけで、予想以上(8割程)に降り注ぐので注意が必要です。
更に、紫外線量は紫外線の強さに曝露時間を乗じたものとなります。長時間の曝露はできるだけ避けましょう。
紫外線の人体への影響は、特にWHO(世界保健機構)でも緊急を要する課題として認識され、予防に関する様々な喚起がなされています。 紫外線は、単なる日焼けだけではなく、過度の曝露は皮膚がんの要因となるなど、その予防に十分な注意が必要とされています。
紫外線の目に及ぼす影響について (2008,環境省)によると、紫外線曝露による眼への影響については、紫外線角膜炎、翼状片、白内障などがあるそうです。 特に、白内障による失明(1985年:1700万人)の内、紫外線によると考えられるものは、約20%に上るといわれています。
■ 白内障
白内障は眼科疾患の中で最も多い病気のひとつで、眼のなかでレンズの役割を担う水晶体が濁るため、網膜まで光が届 かなくなり見え方の質が低下してきます。初期には水晶体が硬くなるため老眼が進行し、濁りが強くなると視力が低下 し、進行すると失明に至ります。 (2008,環境省) 一口に白内障といっても多くの種類がありますが、日本人に多く見られる皮質白内障(2008,環境省)は、 紫外線、特にUVBとの関係が明確に認められています。(Diffey, 1991)
■ 翼状片
白目が翼状に黒目に進入する症状で、瞳孔近くまで侵入すると視力障害を来します。紫外線曝露を含めた外的要因により誘発されると言われており 、特に屋外での作業時間が長い、農業、漁業従事者に多く発生するといわれています。(2008,環境省) ある調査によると、長時間屋外作業従事者にはそうでない場合に比べ、約3倍翼状片が起こっているといわれています。(Diffey, 1991)
references 1、Diffey, B L 1991, Solar ultraviolet radiation effects on biological systems:Physics in Medicine and Biology 36 (3): 299-328
2、環境省, 2008:紫外線環境保健マニュアル2008
3,Gibson, J H, UVB RADIATION Definition and Characteristics : UV-B Monitoring and Research Program,Colorad State University
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